シルクスクリーン版画

シルクスクリーン版画は日本の伝統的な染色技法である「型染め」や、西洋の「ステンシル」などから発展した版画技法です。製版されたスクリーン上の「孔」を通してインクを刷り込む事から「孔版」と呼ばれています。インクを厚く盛ることが出来るので、他の版種に比べ耐光性に優れているのが特徴です。歴史的には木版や銅版画に比べまだ新しく、美術作品として制作され出したのは、写真製版の技法が確立された1950年代になります。

限定部数とa.p.

シルクスクリーン版画を制作する場合、まず制作する限定部数を決めます。途中の失敗刷りなどにそなえて、その枚数より少し多めの枚数の紙を用意して制作に進み、色の数だけ版を重ねます。刷り上がった作品は検品され、版のズレや汚れなどある用紙は廃棄されます。出来上がった版画は鉛筆で限定番号を入れていきます。通常画面の左下に、1/75、2/75~と限定した数字を書き、そしてタイトル、右側にサインをします。が、きちんとした取り決めはなく、作家によってはタイトルを書かない場合もあります。A.Pはartist proofの略で作家用を意味します。版元などが版画を出版する場合に、市場に販売する限定番号の他に作家用として限定数の10%程の枚数のA.P が出版されます。

「ピンク」と「黄色」の2色グラデーション刷りです。グラデーション刷り用のレールを作って「ぼかし」を安定させます。レールが長くなるほど難易度が増します。

山のグラデーション
一山ずつ刷ります、山が多いと刷り数が増えていきます。